ライティングの大切さ
リフォームと聞くと、床や壁、キッチンや浴室といった“設備”ばかりに注目しがちですが、実は空間の印象を大きく左右するのが「照明」です。
LDKのリビングやダイニング、トイレ、洗面台など、どんなにインテリアをおしゃれに整えても、照明が合っていないと「落ち着かない」「影が出る」「暗く見える」といった違和感が残ります。特になんとなくおしゃれにしたいな、居心地のいい空間、雰囲気の良い部屋にしたいなを叶えるのが照明。照明は、空間の心地よさを左右する“仕上げのひとつ”なのです。
1.照明は後まわしにしない
リフォームでは、インテリアや家具を決めてから照明を考えるケースが多いですが、本来は“設計段階から考える”のが理想です。光の位置・高さ・色温度によって、床材や壁紙の見え方まで変わります。
たとえばLDKなら、ダウンライトやペンダントを組み合わせてゾーニングし、調光機能を付けてシーンに合わせた明るさにすることで、同じ空間でもぐっと居心地が良くなります。また、照明の電気配線を予め決めておくことでON/OFFのスイッチや調光を分けておくことも可能です。この“配線設計”を後回しにすると、仕上がってからの変更が難しく、利便性にも大きく影響します。リフォームの段階で「どの場所でどんな明かりを使いたいか」を想定しておくことが、快適な暮らしづくりの鍵になります。
2. 空間別・照明デザインのポイント
🛋 LDK(リビング・ダイニング・キッチン)
■LDKの照明は、「明るさ」だけでなくくつろぎと作業性のバランスが大切です。最近は、天井をすっきり見せるダウンライトが主流。ダウンライトは天井を高く見せ、広々とした空間を演出します。
加えて、光を壁に向けて反射させる間接照明をプラスすることで、柔らかく落ち着いた雰囲気をつくれます。リビングは広いですから、複数のライティングを組み合わせても問題ありません。

■ダイニングにはペンダントライトが人気。ペンダントの高さやデザインで、空間にアクセントをつけられます。
少し大き目のこだわりのライトを一つ垂らすのもおしゃれです◎

■キッチンは作業場のため、ダウンライトに加え手元灯(スポットライトやバーライト)を取り入れて、影を作らず明るく。清潔感と作業効率のどちらも高まります。

トイレ
トイレは限られた空間だからこそ、照明で印象が変わります。今人気なのは、小ぶりのペンダントライトを取り入れたデザイン。
光の位置を少し下げることで、やさしく包まれるような明かりになります。
ほかにも、壁面に反射させる間接照明や、小型のブラケットライト(壁付け灯)を使って、ホテルライクな雰囲気に。明るすぎず、ほんのりと雰囲気のある明るさがおすすめです。
洗面・脱衣室
朝の身支度や夜のスキンケアなど、「顔映り」が重要な空間です。
洗面台の上部だけでなく、左右に縦型の照明(スリットライト)を入れると影ができにくく、自然な明るさになります。鏡の背面を照らす間接照明も人気で、清潔感と高級感を演出できます。
寝室・個室
寝室はリラックス重視。天井からの主照明は控えめにして、壁付けのブラケットライトやスタンドライトで柔らかく照らすのがおすすめ。
リモコンやスマート照明で調光・調色ができると、“眠りやすいあかり”と“読書向きのあかり”を切り替えられます。
3. 予算の都合や後回しにする場合は「下準備」が大切
「まずは内装や設備を優先して、照明はあとで考えたい」という場合も大丈夫。
ただし、その際はあらかじめ配線工事をしておくことがポイントです。天井裏や壁内の配線を通しておけば、後から追加の照明を設置するときに大きな工事をせずにすみます。
また、ライティングレール(ダクトレール)にしておくのもおすすめ。リフォーム後にペンダントライトやスポット照明を自由に付け替えられるため、インテリアを整えてからでも照明演出を楽しめます。
4. 照明が整うと、暮らしが整う
明かりは目立たない存在ですが、空間の印象を決める大切な要素。リフォームをきっかけに“光のデザイン”まで意識することで、
住まいの居心地は驚くほど変わります。
照明を変えることは、暮らし方を変えること。
これからリフォームをお考えの方は、ぜひ照明計画も一緒に考えてみてください。